「向日葵の丘」助監督、残酷物語③ 物語を作るということ?

「なぜ、ルーカスが作るような物語が書けないのか?」
助監督を続ける友人はシナリオが書けず、悩み込んでいた。で、そのルーカスが勉強した大学。USC映画科で学んだ僕に相談して来た。これまでの話を聞き、さらに彼が作りたいという映画のストーリーを聞いた。それで分かったこと。
まず彼は「スターウォーズ」みたいな映画を作りたいという思いはあるが、具体的に、こういう主人公がいて、こういう世界で、こういう事件が起きてというアイディアがない。ない。というと、語弊があるが、彼が書いたシノプシスを読むとスターウォーズ」の亜流。或いはマネという物語でしかない。
若い友人が偉いのは、それに気づいていることだ。だから、「これは違う」「こうじゃない」と悩んでいるのだ。では、どうやったら、斬新な、物まねでないストーリーができるのか?いや、彼の場合。その前の段階がある。そこを見つめなければ、映画はおろか、物語を作る、シナリオを書くなんてことはできない。
それは...まず、物語を作るということ。映画のシナリオでも、小説でも、漫画でも同じ。頭で考えて書くものではない。よくシナリオ学校にいくと、テーマを決め、登場人物を決め、設定を決め、事件を考えて、展開を考えて箱書きという奴をして、それからシノプシスにして、ようやくシナリオにする。
登場人物は個性がなければならない。とか、いろいろと講師はいうもの。その方法論で友人も物語を作ろうとしたのだ。それは間違いではない。が、そんなふうに机の上で考えて、物語はできない。物語はそんなふうにパーツを作り、はめ込んで行くものではない。
あえていえば、化石を掘るようなもの。ここに何か埋まっている。恐竜か? マンモスか?それをまわりから掘って行くと、おーーーーチラノザウルスかも? いや、ベラキラプトルだ。ってなものだと考えるのだ...(つづく)

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2014年09月16日 Posted byクロエ at 19:19 │Comments(0) │映画の話
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