向日葵の丘ー監督日記 第1章ーまねだ聖子さん登場!

「向日葵の丘」はタイトルにもあるように1983年を舞台とした映画である。80年代といえば、やはり松田聖子さんの全盛期! 特にファンでない人でも、彼女の歌が歌えるほど、当時は凄い人気。今、思うと、80年代は「聖子の時代」だったと思える。洋楽好きの僕も、彼女の存在は別格で、80年代前半のアルバムは、全てカセットに録音していたし、シングルでない歌でも歌えた。
それらを聴くと当時の記憶が次々に蘇り、「空気」や「匂い」さえも思い出す。「裸足の季節」の頃、横浜の映画学校に入学。「青い珊瑚礁」がヒットした頃にはもう授業にうんざり。行かなくなり、「風立ちぬ」の頃は2本目の8ミリ映画を仲間と撮っていた。そして映画「向日葵の丘」の舞台となった1983年夏。松田聖子はニューアルバム「ユートピア」を発表。シングルは「天国のキッス」。僕は主人公の3人組と同じように8ミリ映画を撮影していた。

そんな時代を映画で表現せねばならないのだが、映画表現のパターンである、当時のヒット曲を劇中で流すというのは嫌だった。テレビで当時の歌番組の映像が流れるというのも止めた。歌や映像を使わずに1983年を表現したかった。ただ、やはり1983年といえば、松田聖子。僕個人の思い出もそこから離れることはできない。そこで考えたのは、当時流れていた聖子さんのCM。いろんなものがあったのだが、それ風なものを再現。同時に、ラジオ番組を劇中で流そうと考えた。
若い人には分からなくても、当時を知る人がいれば「あーあった、あった!」と懐かしく思えるような場面にしたい。そこで、松田聖子風のCMナレーションやDJをできる方を探した。ら、キャスティング担当者から「OKをくれた方がいます」との報告。誰かと聞くと「まねだ聖子さんです」というではないか!「えーーー、あのまねださんが参加してくれるの!」と驚いた。まねださんはテレビでも活躍する松田聖子のまのまねをしているタレントさん。その手の番組で何度も観て、本物以上に本物だった、まねださんの歌に驚嘆した。
その「まねだ聖子」さんがスタジオに来てくれるというのだ。僕は有名俳優さんと会うのは緊張しないのだが、この日はドキドキ。その瞬間を迎える。声の出演だけなのに、まねださんはもの凄く、熱心に、真剣に、考えてくれていて、打ち合わせのあと。録音ブースに入った。
そして、テストで原稿を読んだ彼女の声を聞いた瞬間。僕は1983年にタイムスリップ。そう、あの時代、僕は横浜に住み、映画学校を辞めて、8ミリ映画を作っていた。映画監督を目指し、掴めぬ夢を追っていた21歳。大人たちは「現実は甘くないぞ!」と繰り返すばかり。そんな中で仲間と映画作りをしていた。

そんな時代に流れていたのが、松田聖子のヒット曲の数々。そのときの風や忘れていた思い出さえも、蘇る。それから30年。僕は映画監督になり「向日葵の丘」という映画を作っている。スタジオで、まねだ聖子さんが原稿を読む声を聞きながら、1983年と2014年を何度も往復。それほどまねださんのDJは当時の松田聖子さんの風を感じさせた。
その理由は録音終了後に、まねださんとお話して痛感。聖子さんへ思い、そして、もの凄い勉強をしてらっしゃること。単に物まねをしているのではない。そこに「愛」があること。凄いと思った。僕は「マイアミ 午前五時」という歌が一番好きで、本当にマイアミに行って、その歌をウォークマンで聴いたことを話した。そして、まねださんのステージをぜひ、観たいと伝えると、20周年イベントがあるというので、「絶対に行きます!」と約束。そうしたら「そのときに『マイアミ午前五時』歌います!」といってくれた。感動〜。
さらに、まねださん凄いと思ったのが、映画のタイトル「向日葵の丘」が松田聖子さんのアルバムに入っている曲「ひまわりの丘」が元になっていることに気づいたことだ。スタッフ&キャスト誰1人気づかなかったのに、さすが! そんな話で盛り上がり、スタジオでの作業は終了。現在、あと1歩で映画は完成というところまで来た。スタジオ作業から、1ヶ月。まねださんの20周年記念ライブが本日、行われ、お邪魔することになった........(つづく)

「向日葵の丘 1983年・夏」特報。 [予告編]
「向日葵の丘」監督日記。 ポスター&チラシデザイン、大詰め。
「向日葵の丘 1983年・夏」特報 公開!
「向日葵の丘」領収書整理。貼付け完了!!!
「向日葵の丘」あちゃ〜
本日のランチ
「向日葵の丘」監督日記。 ポスター&チラシデザイン、大詰め。
「向日葵の丘 1983年・夏」特報 公開!
「向日葵の丘」領収書整理。貼付け完了!!!
「向日葵の丘」あちゃ〜
本日のランチ
2014年11月25日 Posted byクロエ at 22:35 │Comments(0) │ポストプロダクション
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。