向日葵の丘ー1983年夏」監督日記 お見舞い感謝

昨日の記事を読んだ多くの方から、激励とお見舞いの連絡を頂いた。
本当にありがとうございます。
電話やメールで連絡をくれた方もいた。
一時は関係者にだけメールで知らせようか?とも考えた。
が、あんな内容のメールがいきなり来る方が皆、驚くだろうと思えたので、FBにて報告という方法をとった。
中には「余計な心配をかけるので、あんなことは書かない方がいいですよ」という指摘もあったが、こんなメールもあった。
「前々から見辛そうにしていたので何か具合が悪いのではないか?と心配してました。
訊くに訊けなかったので安心しました」同様の連絡は結構あったので、報告してよかったと思える。
あと、多かったのは「健康は大事です。無理しないでがんばってください」というもの。
本当にその通りであり。応援してくれている方々の思いを感じるものだった。
ただ、クリエーターというのは、健康第一で仕事ができないことが多々ある。
何より、魂を削って作品を作るのがクリエーターである。
健康を考えていてはなかなかできない。ときには命を賭けねばならないときだってある。
思い出す話がある。
ある俳優さん。がんと診断された。
時同じくしてハリウッドから出演依頼。若い頃から憧れたハリウッド映画への出演。
でも、医者に言われる。「出演を諦め手術して、一生車椅子で生活するか? 出演して人生を終えるか?」
彼は後者を選択。ハリウッド映画に出演し、その後亡くなった。
それが松田優作さん。
出演したのは「ブラックレイン」である。
「何でそこまでして出演したいか?」と思う人もいるだろう。
でも、それがアーティストやクリエーターと呼ばれる人たち。
そこまでしても、いい芝居をしたい。感動を呼ぶ作品が作りたい。
そう思うのだ。実際、命を賭けないまでも、人生を賭けないと絶対にいいものはできない。
だが、今の映画界はそんな人が少ない。多くのクリエーターは体を壊すまで仕事をしない。
適当にうまく立ち回り。多くのギャラをもらって、早めに仕事を終えたい。という輩が多い。
監督でも、フでも、俳優でも、その種の人をよく見かける。
「製作費かかっているのに、何か詰まらないなあ〜」と思う映画はたいがい監督やスタッフ。
そして俳優がそんな意識でやっている。
人生を賭けずに作っている。そんなスタッフや、その種の俳優と仕事をしても、絶対に素晴らしい作品はできない。
感動や勇気を伝える映画を作るにはスタッフ、キャストが皆、人生賭けてかからねばならない。
そしてチームを引っ張るべき監督は人生だけでなく、命賭けでかかってこそ、最高の作品ができるのだ。
だから「毎回、遺作!」と思ってかかる。
「この作品が最後!」と思うと、全ての力を出し切ろうと考える。
遺作と呼ばれるに相応しい作品にしよう。健康やお金や生活のことより、大きな感動を伝える映画にしようと全てを賭ける。
それでこそ素晴らしい作品になる。
今回も同じだった。
目が見えなくなってもいい。それで最高の作品が作れればOKだ。
映画を観た多くの人が元気になり、ハッピーになり。感動で涙を流せば報われる。
それがクリエーターであり、映画作りという仕事だと考える。

2014年05月29日 Posted byクロエ at 15:24 │Comments(0)
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